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不思議で懐かしくて少し怖い「拝み屋郷内 怪談始末」の味わい

ども、読書感想文が書けなくて泣いてる大人の男、シマユーです。

 

去年読んだ小説の続編が出版されているのに気がついたから前回までの復習がてらに小説を読み直してみたよ。

タイトルは「拝み屋怪談 怪談始末」

 

拝み屋郷内 怪談始末 (MF文庫ダ・ヴィンチ)
 

――語ることが、おそらく供養にもつながる。戸の隙間から覗く痩せこけた女。著者につきまとう謎の少女。決して語ってはならない封印怪談。東北の山中で拝み屋を営むかたわら見聞きした、鮮烈な怪異を書き上げる。

 

 僕はホラー小説が大好物です。

kindleで買えるような小説のランキングで上位に入ってくるような小説は大体読んでいると思うのですが、この夏に読んでみて一番インパクトのあった小説なのでネタバレしない程度にその魅力をつらつら書いていこうかなと思っています。

 

ここが一番の驚きだったのですがこの小説の作家さん、ただの小説家でなくその正体は

宮城県で迷える人々を導く拝み屋

だそうです。

 

作者である郷内心瞳氏が拝み屋としての生業のなかで体験した怪異を語っていくというものなのですが、収録されている短編がかなり多い。今数えてみたら50本近くありますねw

 

kindleで目次を開いたとき、間違えて詩集でも買ってしまったかと軽くげんなりしました。僕は短編小説よりも長編で重いやつが好きなのです。

買ってしまったのでまあ読むか、とページをめくっていくとオチのない怪異話がポツポツと。

 

しかもホントに短い。。300ページほどの小説に約50話も詰めたらそりゃそうなるか。

オバケがでた!びっくりした!みたいな調子でページが進む進む。

 

ボリュームが軽いのでページをめくる手も早くなり、気づくともう半分ほども読み進めている。

客として訪れた人々の体験談と著者自身の抱える怪異が重さを増していく。

気づくと不思議な余韻を残しつつも読了していた。という感じです。

 

一つ一つの話は本当に短く、短編という程のページ数もないものがほとんどなのですが、それぞれの話が他の体験とのつながりを匂わせていたり、かと思えば何かを暗示させるようでもありながら、どう解釈していいのか分からない独立した怪異の話があり、どこかで聞いたような話でありながらも僕を全く飽きさせない小説でした。

 

ホラー小説にもいろいろあって、完全にオカルトの伝記ものから「これは本当にあった話なのですが」なんて語りから始まる心霊話までありますが、この小説のシリーズは誰でも一度くらいはあったかもしれないような不思議な話を少しづつ集めて山のような形にしているような独特の魅力があります。

 

全四巻のうち2巻,3巻まで読了しましたが、この独特の味わいを残しながらも読み応えのある長編となっています。

普通のホラー小説に飽きた方、重い小説は疲れるけど読み応えのある作品も捨て難いという方にオススメです。

 

 

拝み屋郷内 花嫁の家 (文庫ダ・ヴィンチ)
 

 

 

拝み屋怪談 禁忌を書く (角川ホラー文庫)

拝み屋怪談 禁忌を書く (角川ホラー文庫)

 

 

4巻はまだ僕も読んでませんがw

 

拝み屋怪談 逆さ稲荷 (角川ホラー文庫)

拝み屋怪談 逆さ稲荷 (角川ホラー文庫)

 

 

 

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